Dr.OHNOの想い

資源の少ない日本で、唯一ふんだんに存在する太陽エネルギーを使った様々な反応システムの開発を行っています。中心となる研究テーマは究極の光触媒の開発です。すなわち、太陽光を光源とした超高活性選択的光触媒反応システムの開発を最終目標としています。この研究は地球温暖化の原因となる様々な製品生産システムにともなう大量の炭酸ガス排出を根本的に解決し、次世代エネルギーである水素を太陽光を利用して水から製造できる画期的なシステム開発へつながると確信しています。

Dr.OHNOの研究技術

横野照尚教授

国立大学法人九州工業大学


横野 照尚 教授

OHNO TERUHISA

開発・監修

 現在、44件の特許が取得され、47冊の本を出版しています。192件の学術論文が発表され、10,342回引用されています。NHK、朝日新聞、西日本新聞などのフォローアップレポートがフォローされています。屋内可視光光触媒を開発した最初の人物です。・室内光でも機能する高性能光触媒の世界屈指の研究者

・科学的に実効性のある公衆衛生
・空間衛生を推進

研究の新規性や独創性

室内光(可視光)があたり還元反応が進む場所と有害物質やウイルスの酸化分解が進む場所が分かれています。一般的な光触媒はホール(正孔)と電子が同じ場所に存在するため、再結合により活性が失われる

 (1)酸化反応と還元反応の場を分離して光触媒の性能が飛躍的に向上 光触媒はその反応機構上、光照射下で酸化反応と還元反応という正反対の反応がナノ レベルの球状粒子上で同時に進行します。そのため容易に逆反応が進行してしまい、 大幅な触媒性能の低下をもたらします。横野研究室では、この解決しなければならな い最重要の課題について、ナノレベルで光触媒粒子表面の反応場を分離する方法を見 出して、完全に解決することに成功しました。

 (2)弱い室内光でも高性能反応をする可視光応答型酸化チタン材料の開発 応用範囲の広い酸化チタン光触媒ですが、性能を発揮するためには、太陽光に数%し か含まれない紫外線が必ず必要となります。横野研究室では、ナノテクノロジーを駆 使して金属イオンと光触媒を複合化し、可視光に反応して高い殺菌、防臭性能を発揮する可視光応答型光触媒の開発に成功しました。今も改良を重ね世界最高レベルの性 能を誇っています。

 これら技術を組み合わせることにより世界に先駆けて開発に成功した棒状(ロッド状) の次世代型酸化チタン光触媒は、室内光を使った化学物質(アセトアルデヒド:シッ クハウス症候群の原因物質の一つ)の分解性能を調べた結果、一般的に使用されてい る窒素添加酸化チタンより約 4 倍の分解性能を確認しました。